字多田ヒ力ルのトラヴェリング

ジタダヒチカラルの自由自在な動き回り方

『雨ニモマケズ』ができるまで

 

 

 

さあて、詩でも書くか。

なんかメモに書いてあるかな…。

「雨には負けない」か。

こっから書き出すか。うん、そうしよう。

「雨には負けない」

びゅうう。窓に風が打ち付ける。

雨、ときたら風、か。

「雨には負けない、風にも負けない」

「にも」って表現いいなあ。

「には」やったら「に」も「は」も2画目まで同じやし。

ほんじゃあ、雨にも「にも」つけるか!

「雨にも負けない、風にも負けない」

「負」けるっていう漢字イヤやな。「ひらがな」にするか。

「雨にもまけない、風にもまけない」

「まけない」より「まけず」とか「まけぬ」とかのほうが1音減ってええなあ。

どっちにしよう。

中日ドラゴンズ横浜ベイスターズの試合は…」とはラジオの声。

「雨にもまけず対風にもまけず」

いや、カタカナにせな訳わからんな。

雨ニモマケズ対風ニモマケズ」

おお、なんかええやん。しっくりくるやん。

宮沢賢治独自の感性が銀河のように光る。

ほんじゃあ、【雨ニモマケズ 風ニモマケズ】と。

 

 

雨、風、ときたらなんや…。雪か。

「雪ニモマケズ」

いや、これやったら冬感が強すぎる。夏にこの詩を読んだ人が「雪ニモマケズ」言うてダウンでも着て外出てもうたら可哀想すぎる。半袖感も出しとかな!

宮沢賢治の気遣いは素晴らしい。

「雪ニモ夏ノ暑サニモマケズ」

あかん! オレとしたことが直接「夏ノ」って書いてもうた。これは反省せな。しゃあない。ここは「ず」じゃなくて「ぬ」にしよう。すまぬ。

【雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ】

あ、でもこれで、名詞に係る感じになっちゃったな。大丈夫かな。ん? そうや!

「丈夫ナ体ヲ持チ」

うーん、丈夫が目立てへんな。体も持(もつ)もカタカナでええか。

【丈夫ナカラダヲモチ】

これ以上、詩を考えんのはしんどいなあ。今日はもう書く意欲がないわー。下心丸出しやな(笑)

じゃあ、最後にもう1行だけ。

【慾ハナク】